タミヤニュースの世界

タミヤニュースの世界の詳細

小学校５年生のときミリタリーミニチュアシリーズのドイツ軍三号戦車（将校セット付き）を買ってもらった私は、あっという間に戦車プラモデルのトリコになった。当時でも「ホビージャパン」「モデルアート」といったプラモデル専門誌はあったが、ミリタリーモデルが特集されるのはたまにしかなく、知識に飢えていた私がすがったのが田宮模型が発行していた「タミヤニュース」だった。ほぼ毎回特集される「これだけは作ろう」という模型改造コーナーは、私の道しるべだった。１８８ページを見ると、私が貪るように読んだ「シュトルムタイガー（ストームタイガー）」「'U号戦車をヴェスペに改造」が３３号、３４号だったことが分かる。これを見ると私はほぼ創刊号からタミヤニュースを読んでいたことがわかる。当時、まさに「師匠」の名を欲しい侭にしていた「カンプグルッペジーペン」の諸兄や、彗星のようにデビューしてきた偉才・熊谷徹氏が、やっぱりフリージャーナリストの熊谷徹さんだったことを確認することもできた。私はドイツに入れ込んだフリージャーナリストなんて熊谷氏以外にありえないと睨んでいたが、１０４ページの写真と文でこの人と同一人物であることが確認させれた。私が創刊号から買い揃えているミリタリーモデル専門誌「アーマーモデリング」の主要メンバーの金子辰也氏・伊藤康治氏もタミヤニュースの常連だったとか発見も多い。タミヤのミリタリーモデルにはまったお蔭で私は世界の歴史に大いなる知見を深めることが出来た。サンケイブックス第二次世界大戦シリーズを中学三年まで大量に読破し、その過程でドイツの工業史についても大いに知見を深めることが出来た。最近世間を騒がせている北朝鮮のミサイルは実は今から６０年以上前に開発されたドイツのＶ２号ロケットのコピーで、その開発者フォン・ブラウン博士が後に米国に亡命しアポロ計画を推進した中心人物であることなども小学生の時に既に知っていた。ナチスドイツの歴史に入れ込んだ波及効果で、１９世紀のドイツ史、なかでもビスマルクやモルトケを中心としたドイツ第二帝国の歴史にも興味が広がり、それは１９世紀の世界を既定した「帝国主義」の発展そのものへの興味ともなっていき、ついにはその波にもまれつつ近代化を成し遂げた日本の近代史へと私を誘い、大学での専攻・国際関係論にもつながっていったのであった。これは当然、「英語を勉強しなければ国際関係はわからない」という思いにつながり、私の英語勉強の推進剤となり、私の英語力（TOEFL６１０点、TOEIC９００点）形成の大きな力となったのである。タミヤのミリタリープラモデルは、少年の心に火を灯し、これだけの波及効果をもったのである。ありがとう、タミヤ！ありがとう、タミヤニュース！